アイアント [編集]
No.632 タイプ:むし/はがね 通常特性:むしのしらせ(HPが1/3以下のときに虫タイプの技の威力が1.5倍になる) はりきり(使用する物理技が威力1.5倍、命中率0.8倍になる) 隠れ特性:なまけ(2ターンに1度しか行動できない) 体重 :33.0kg(けたぐり・くさむすびの威力60)
高速物理鋼+一撃技 | HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早 | 合計種族値 | 特性 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
アイアント | 58 | 109 | 112 | 48 | 48 | 109 | 484 | むしのしらせ/なまけ/はりきり |
(189) | (564) | はりきり全振り | ||||||
カミツルギ | 59 | 181 | 131 | 59 | 31 | 109 | 570 | ビーストブースト |
※はりきり換算はおおよその目安。
むし×はがねタイプの一匹。9タイプへの耐性に対し、弱点は1つという優秀な複合タイプ。
第八世代ではフォレトス、ミノマダムが不参戦のため、同複合はハッサムとシュバルゴがいる。
前者は先制技を中心に攻防両立させたアタッカーで、後者は典型的な重火力アタッカー。それぞれ種族値傾向が大きく異なるため差別化を意識する必要はない。
物理方面の種族値に優れ、特に攻撃は特性はりきりによりA189相当の火力を得ることも可能。
素早さも100を超えており、多くの相手の上を取ることが出来る。
反面、特殊耐久はかなり脆弱で、特化サザンドラの眼鏡りゅうせいぐんクラスになると半減であっても確一を取られてしまうほど。
また物理耐久も防御こそ高いが低HPが祟って総合的には並耐久。DMやダイスチル無しでアタッカーの等倍技を2耐えするのは難しい。
4倍弱点の炎技からは特殊・物理問わず逃げたほうが良い。特に特殊は、特攻60程度の役割破壊技ですら致命傷になる。
総合的には耐性を活かして半減を何とか耐え、そのまま上から倒すという、典型的な「やられるまえにやる」高速アタッカーである。
そのため上を取られると相性有利なタイプにも縛られやすく、スカーフ等での奇襲には要警戒。
めざめるパワーより威力の高いマジカルフレイムがばら撒かれたため、覚えられるポケモンは把握しておくべし。
ダイマックスは特性はりきりとの相性が良く、
3ターン限定とはいえ命中不安を解消、アイアントの場合は一致技の威力不足も改善し、高い攻撃性能を獲得することが出来る。
第八世代初期では登場ポケモン削減ではがねアタッカーが不足していたこともあり、使用率上位に食い込む活躍を見せた。
しかし現在ではカミツルギ等のライバルの増加や、インフレによる素早さ水準の上昇もあって、大幅に数を減らす事になっている。
自身とダイマックスの相性の良さは変わらないものの、より強力なアタッカーの登場により優位点を得難いのが現状である。
物理アタッカーのほか、なまけ+なかまづくりを用いた起点作り要員としても運用することができ、かげふみや積みエースとあわせれば強力なコンボとなる。詳細は下記の特性考察・型考察にて。
はりきりとシナジーのあるつめとぎと、ダイジェットに変換できるつばめがえしは過去作限定であり、現時点ではランクバトルで使用できない。
一方ではりきりと相性の良いじだんだも習得し炎への対抗手段が1つ増えた。
特性考察 [編集]
- むしのしらせ
- 特殊耐久が低いので、タスキとセットで容易に発動できるが、むし技は範囲が狭い。
他の特性にデメリットがある為、消極的な採用意義はあるがライバルが強力。
同複合随一の素早さを活かして、普通の高速アタッカーとして採用するのであれば。
- はりきり
- 同特性としてはアップリューに次ぐ攻撃種族値から強力なアタッカーに。
アップリューとは素早さの差とタイプの違いで容易に差別化可能。現在のアイアントはこれが主流。
特性の恩恵を受けないハサミギロチン、補助技などは命中低下の悪影響も受けない。
ダイマックスとの相性は抜群で、3ターン限定ながら火力を更に向上させつつ攻撃が必中になる。
- なまけ
- 隠れ特性。デメリット特性だが、なかまづくりとあわせれば起点作成を狙える。
だっしゅつボタンと組み合わせて、積みエースに繋ぐのが基本。かげふみ、ありじごくとの相性は抜群。
強力な分、並びから読まれやすいのが難。ばけのかわ等のフォルムチェンジ特性にはなかまづくりは無効。
また、この特性自体には関係無いがゴーストには交代を抑制する特性が通じない。
持ち物をだっしゅつボタンにする場合、先手を取る手段は素早さ頼り。より高速の相手やスカーフに注意。
技考察 [編集]
※備考欄のダメージ計算はいずれもはりきり+無補正A振り。
物理技 | タイプ | 威力 | 命中 (ハリキリ) | 効果 | 解説 | |
---|---|---|---|---|---|---|
アイアンヘッド | 鋼 | 80(120) | 100 (80) | 怯み30% | タイプ一致技。怯みも狙える。 いのちのたまでH振りバンギラスを確1。 | |
シザークロス | 虫 | 80(120) | 100 (80) | - | タイプ一致技。きゅうけつ・とびかかるは覚えない。 性能安定の一致技だが範囲が狭く使用機会は少ない。 | |
はいよるいちげき | 虫 | 70(105) | 90 (72) | 特攻↓100% | タイプ一致技。威力は物足りないが特殊耐久を補強できる。 | |
であいがしら | 虫 | 90(135) | 100 (80) | 優先度+2 | タイプ一致技。出た最初のターンしか使用できない先制技だが、 ダイマックスすれば威力130(195)のシンプルな虫技になる。 | |
ストーンエッジ | 岩 | 100 | 80 (64) | 急所ランク+1 | 対炎・飛行。 いのちのたまでH4振りウインディ・ギャラドスをいかく込みで乱1。 | |
いわなだれ | 岩 | 75 | 90 (72) | 怯み30% | ストーンエッジと選択。威力は劣るが怯みを狙える。 | |
ばかぢから | 闘 | 120 | 100 (80) | 攻撃・防御↓ | 対鋼。いのちのたまでH振りナットレイを確1。 | |
じだんだ | 地 | 75 | 100 (80) | 技失敗後 威力2倍 | 対炎・電気・毒・鋼。 はりきりと相性は良いが、低耐久なので追加効果はあまり当てにしない方が良い。 | |
かみくだく | 悪 | 80 | 100 (80) | 防御↓20% | ブルンゲル、ギルガルド、ドータクン等に。 いのちのたまでH振りシャンデラ・ブルンゲルを確1。 | |
シャドークロー | 霊 | 70 | 100 (80) | 急所ランク+1 | かみくだくと範囲が被る。ダイマックス前提なら。 | |
かみなりのキバ | 電 | 65 | 95 (76) | 麻痺10% 怯み10% | 対水・飛行。ギャラドス等に。 | |
ハサミギロチン | 無 | - | 30 | 一撃必殺 | 有効打の無い相手に。命中低下の影響を受けない。がんじょうには効果がないので注意。 | |
特殊技 | タイプ | 威力 | 命中 | 効果 | 解説 | |
むしのていこう | 虫 | 50(75) | 100 | 相手全体 C↓100% | タイプ一致技。サポート用。 | |
まとわりつく | 虫 | 20(30) | 100 | 拘束ダメージ | タイプ一致技。なまけ型の拘束用。 | |
変化技 | タイプ | 命中 | 解説 | |||
でんじは | 電 | 90 | アイアンヘッドやいわなだれとあわせて。後続サポートにも。 無効タイプや特性、ミストフィールド等に注意。 | |||
みがわり | 無 | - | ダイマックス枯らし・補助技対策や、むしのしらせの発動に。 | |||
こうそくいどう | 超 | - | 素早さ強化。バトンとあわせて。 | |||
バトンタッチ | 無 | - | 積み技やみがわりとあわせて。 | |||
なかまづくり | 無 | 100 | なまけとあわせて。後続の起点作りに。 バトルスイッチやばけのかわ等、上書き無効特性に注意。 |
ダイマックス技考察 [編集]
ダイマックス技 | 元にする技 | 威力 | 効果 | 解説 | |
---|---|---|---|---|---|
ダイワーム | シザークロス であいがしら | 130(195) | 相手:C↓ | 一致技。一致等倍程度なら疑似特殊耐久上昇が生きる場合も。 | |
ダイスチル | アイアンヘッド | 130(195) | 味方:B↑ | 一致技。追加効果でさらに物理耐久アップ。 | |
ダイサンダー | かみなりのキバ | 120 | 場:EF | 一致技の通りにくいみず・ひこうに。あくびも踏み倒せる。 | |
ダイナックル | ばかぢから | 95 | 味方:A↑ | 元より威力は下がる、ばかぢからの反動を嫌う場合に。追加効果で火力底上げ。 | |
ダイアース | じだんだ | 130 | 味方:D↑ | 鋼との補完に優れる。追加効果も優秀。 | |
ダイロック | ストーンエッジ いわなだれ | 130 | 天候:砂嵐 | 呼ぶほのおに刺さる。砂嵐でタスキ潰し。 | |
ダイアーク | かみくだく | 130 | 相手:D↓ | ダイホロウと選択。威力は高いが、追加効果が微妙。 | |
ダイホロウ | シャドークロー | 120 | 相手:B↓ | ダイアークと選択。威力は低いが、追加効果に優れる。 | |
ダイアタック | ハサミギロチン | 130 | 相手:S↓ | 使う機会は少ないが、元技のハサミギロチンの採用率は高い。 自身の上を取れる相手(エースバーン等)への交代読みで使うとよい。 | |
ダイウォール | 変化技 | - | まもる | 相手のダイマックス技を防ぎたい場合。先制して倒した方が速い場合も多い。 |
型考察 [編集]
はりきり型 [編集]
特性:はりきり
性格:ようき
努力値:AS252
持ち物:きあいのタスキ/いのちのたま/たつじんのおび/こだわりハチマキ/こだわりスカーフ/ラムのみ/オッカのみ
確定技:アイアンヘッド
優先技:いわなだれorストーンエッジ/かみなりのキバ/ばかぢから/であいがしら
攻撃技:じだんだ/かみくだく/シャドークロー
補助技:みがわり/でんじは
はりきりによる超火力と高い素早さから広範囲の技で攻めるアタッカー型。
安定性と爆発力を両立できるダイマックスでの運用が主。ダイマックスすることで耐久も上がるので、ニンフィアクラスのマジカルフレイムなら耐えるようになる。
ダイマックスするとばかぢからは威力95のダイナックルとなるので、例えばバンギラス相手には不一致4倍のダイナックルよりも一致2倍のダイスチルorダイワームの方が威力が高くなるという点には注意。
サザンドラ対策にであいがしらがあれば勝てるが命中が下がっており、外した時やタスキ持ちには炎技で返り討ちにあってしまう。こだわりのイメージが多いが油断禁物。
優先技はそれぞれ環境に多いポケモンに打ちたい。
ストーンエッジはヒートロトムやリザードンに。
かみなりのキバはギャラドスやアーマーガアやドヒドイデなどに。
ばかぢからはバンギラスやドリュウズやナットレイあたりに。
技候補にいわなだれを追加。
ダイロックの威力がストーンエッジと変わらない上、命中がやや安定で怯みも狙える。
努力値のHA252を削除。
なるべく攻撃と素早さは最大まであげて採用したいので耐久調整をする必要性は薄い。
通常アタッカー型 [編集]
特性:むしのしらせ
性格:ようき/いじっぱり
努力値:AS252
持ち物:きあいのタスキ/いのちのたま/たつじんのおび/こだわりハチマキ/こだわりスカーフ/ラムのみ
確定技:アイアンヘッド/であいがしら
攻撃技:ストーンエッジ/かみなりのキバ/ばかぢから/じだんだ/ハサミギロチン
補助技:みがわり/でんじは
特にデメリットのない使いやすいアタッカー型。火力ははりきり型より大きく劣る。
特性を活かせる虫技の優先度は高い。きあいのタスキとも相性が良い。
パッチラゴンなどと組みサイクルをまわしていく。
なかまづくり脱出型 [編集]
特性:なまけ
性格:ようき
努力値:HS252をベースに調整
持ち物:だっしゅつボタン
確定技:なかまづくり
優先技:シザークロスorアイアンヘッド/ハサミギロチン
攻撃技:ストーンエッジ/ばかぢから
補助技:でんじは
デメリット特性である「なまけ」を相手に上書きし、自分はだっしゅつボタンによりなまけターンを回避する。
脱出後は積みエースとなるポケモンを送るのが基本。
因みに、だっしゅつボタン持ちのポケモンにとんぼがえりやボルトチェンジを打つと、だっしゅつボタン側だけが交換することになる。
ありじごくダグトリオやかげふみゴチルゼルを呼び出すことで、逃がさず完全な積みの起点にすることができる。
(まもるを搭載することで、相手のなまけターンに積み、行動ターンにまもるをすることで完封。ほえる等に注意)
ただし、パーティにアイアントと拘束系のポケモンを入れてあると、かなり読まれやすくなるので注意。
先手をとれないと全く意味がない。何もせずだっしゅつボタンで帰ることとなる。
そのため相手の素早さ(特にこだわりスカーフ)や先制技には警戒が必要である。
また、相手に補助技を選択された場合は脱出ボタンが発動しないので注意。
脱出した後の登場の機会を踏まえて、基本的な一致攻撃技は持っておきたい。
少ない行動ターンでも相手に負担をかけやすい一撃必殺のハサミギロチンも有用。
なまけを利用した相手の積みなどへの牽制として、持っていて損はしない技である。
対アイアント [編集]
- 注意すべき点
- はりきりによる脅威的な物理火力。命中不安のデメリットはダイマックス技による必中効果でカバーしてくる。
3ターン限定とはいえその突破力は凄まじく、ダイナックルで攻撃の上昇を許してしまうともう手がつけられない。
素早さも種族値109と高く、攻撃範囲も広い。炎タイプのポケモンも先手を取れないといわ・じめん技で返り討ちにあう。
たとえ相手のポケモンに有効打がなくとも、ハサミギロチンという賭けで強引に突破してくる可能性すらある。
はりきり個体に比べて数は少ないが、なかまづくりでこちらのポケモンを「なまけ」にして、起点化を狙ってくる型も存在する。
- 対策方法
- ほのお技が4倍。特殊耐久は低いので、役割破壊のだいもんじやマジカルフレイムでも大ダメージ。
ダイマックス中こそ必中だが、はりきり中は命中率が低下するのでダイマックス切れも積極的に狙いたいところ。
まもるやとびはねる、身代わりを先制で貼れるポケモンがいると心強い。
また前述の通り特殊耐久が非常に低いので、一致等倍でも簡単に押し切れたりする。
・エースバーン
先制かえんボールでダイマックス状態でもアイアントを確1。外れるリスクとハサミギロチンには注意。
・ドラパルト
ハサミギロチン無効、C130以上のかえんほうしゃからダイマックス状態のアイアントを確1。だいもんじであれば下降補正C12振りから確1。
もし炎技を切っていてもゴーストダイブがあれば相手のダイマックスターンを稼げる。
・ココロモリ
現環境ではマイナーだが、Sで勝るうえ外すリスクはあるものの無補正C252振りねっぷうでAS252ダイマックス個体も確1にできる。
あるいはぶきようスキルスワップで特性と道具をまとめて潰し、火力を大きく削ぐ選択肢もある。
であいがしらにのみ注意。
なまけなかまづくり型はある程度相手のパーティ構築で型が読める場合が多い。
特に相性の良いゴチルゼルと一緒にパーティに入っていた場合は十中八九なまけアイアントと考えて良いだろう。
持ち物は脱出ボタンである場合が多いので、アイアントより早いポケモンならそのまま攻撃、遅いポケモンなら先制技で。いたずらごころからのちょうはつを撃つのも良い。
はりきり型、なまけ型共にS109以上のスカーフ持ちポケモンで炎技を撃つことが最も有効。